第70回日本生化学会近畿支部例会

ご挨拶

1954年に始まった日本生化学会近畿支部例会の70回目が、今年、大阪で開催されます。私が世話係になりましたので、会場を国立循環器病研究センターに設定させていただきました。

1954年と聞いて生命科学系研究者の多くが思い浮かべるのは、“DNAの二重らせん構造が発見された頃”ではないでしょうか。その頃、近畿支部でどのような研究が行われていたか、第1回支部例会の演題を覗いてみたいです。その後の70年間に積み重ねられた土台のおかげで、私達は当時の研究者が想像しなかった知識や技術を利用して研究を行うことができています。

本例会では、昨年と同様、十分に討論していただくために発表者全員にポスター発表をしていただきます。支部奨励賞の応募資格を得たい方には口演も行っていただきます。奮ってご応募ください。発表なしの参加・討論のみも歓迎です。学部生や高校生の参加も大歓迎です。みんなで将来の研究者の土台になりましょう。

特別講演は、長年一貫してオプシン研究に携わってこられた寺北明久先生(大阪公立大学)にお願いしました。数々の成果をもとに基礎研究の醍醐味をお話しいただけると思います。一方、シンポジウムでは社会実装を見据えた研究を想定して、和田郁人先生(リードファーマ社)、西村邦宏先生(国立循環器病研究センター)、江藤浩之先生(京都大学iPS細胞研究所)に講演をお願いしました。ベンチャー起業なども含め、これまでのご苦労とそれを乗り越えた実例などを聞かせていただけると期待しています。

支部例会と学会本部大会の違いは何か? 支部例会の良さは、交通費も含めた参加費用の安さ、大きすぎない規模、地域人としての仲間感などでしょうか。若手研究者には学会デビューの機会にしていただきたいですし、ぜひ質問デビューも果たしていただきたいと思っています。

インボイス制度が始まり、学術集会の参加費でも消費税を納めることが常識になってきました。多勢に従い、会員は不課税、非会員は課税としますが、お支払いいただく金額はこれまで通り会員と非会員で同額です。支部例会に参加したあとで結構ですので、非会員の方々には日本生化学会に入会していただけると嬉しいです。

新型コロナウイルスは日常に溶け込んできた感はありますが、会場の性質上、今回も懇親会開催は見送りました。その分、帰りにどこかでワイワイしていただけたらと思います。どうぞ普段着でお越しください。多数のご来場をお待ちしています。

最後になりますが、開催の機会をくださった北川裕之前支部長、わかりやすく引き継いでくださった森和俊前例会長、協賛企業の皆様に厚くお礼申し上げます。

第70回日本生化学会近畿支部例会
例会長 小亀浩市(国立循環器病研究センター分子病態部)

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